関関同立を最短ルートで攻略する併願戦略 入試方式の違いを理解して合格率を最大化する方法

関関同立を併願する受験生は多く、毎年競争は激しくなっています。
とくに高校3年生の秋以降は、志望校のレベルと併願校の数に不安を抱える人が少なくありません。
「どの方式を組み合わせれば安全なのか」「科目の負担をどう減らすか」など、悩みは尽きないはずです。

しかし、入試方式の特徴を正しく押さえ、科目の相性に合わせて併願を組めば、合格率は大きく変わります。
必要なのは複雑な情報ではなく、無理のない“勝ち筋”を見つける視点です。

本記事では、関関同立の入試方式を整理し、志望度に応じた併願プランの作り方を解説します。
さらに、直前期でも実践しやすい3か月の学習スケジュールも提示します。
読むだけで併願戦略の全体像がつかめ、今日からの勉強に迷いがなくなるはずです。

目次

関関同立の入試方式を整理する

まずは、関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学(通称「関関同立」)の入試方式を、代表的なパターンで整理します。日程や細かい科目構成は年ごとに変動するため、ここでは 方式の種類と特徴 に重点を置き、「併願戦略」の土台として押さえておきましょう。


1. 主な入試方式の種類

以下が、関関同立で多く見られる入試方式です。

方式名概要特徴・注意点
共通テスト併用型(大学入学共通テスト+大学独自試験)高校で学んだ科目を「大学入学共通テスト」で受け、その点数+大学側の個別試験で合否を判定する方式。 科目数が少ないタイプもあり、共通テストの点数が合否の鍵になる。ハイレベルな戦いになりやすい。
一般選抜・全学部日程(大学独自試験メイン)共通テストを使わない、または補助的に使う方式で、大学が出す個別の試験(記述・マーク混合)で合否を決める。出題形式や科目が大学・学部で大きく異なる。過去問演習が重要。
外部検定利用型・英語重視型英語外部検定試験のスコア(英検、IELTSなど)を活用して、科目数を減らす・英語重視で出願できる方式。 英語で“優位”を持っている人にとって有利。ただし英語以外の科目を疎かにできない。

2. 入試方式ごとの「メリット・リスク」

方式を理解したうえで、それぞれの強みと注意点を整理します。

  • 共通テスト併用型
    • メリット:共通テストさえある程度クリアすれば、個別試験の科目数が少ない方式もあるため、受験科目の負担が軽くなるケースあり。
    • リスク:共通テストの点数が高得点勝負になりやすく、ミスが響きやすい。文系で英語の共通テスト利用が不可というケースも大学によってあります。
  • 一般選抜・全学部日程
    • メリット:大学・学部の独自色が出ているため、科目で得意分野を活かしやすい。過去問重視で対策が立てやすい。
    • リスク:出題範囲・形式の幅が広く、科目数や配点が変わるため「何を重点に学ぶか」があいまいだと対策がブレる。
  • 外部検定利用型・英語重視型
    • メリット:英語が得意な受験生にとって“短絡ルート”になりうる方式。科目数が少ない方式も。
    • リスク:英語の検定スコアを取れていなければ出願できない/科目が少なくても合格ラインが非常に高くなることもある。

3. 併願戦略上、押さえておくべき「方式の選び方」

併願を組むうえで、方式の違いを理解しておくと次のように活かせます。

  • 科目負担を軽くできる方式を軸にしておく:例えば英語得意なら「英語検定利用型」、または「共通テスト併用で科目数少なめ」の方式を1つ押さえておく。
  • 得意・不得意科目とのミスマッチを避ける:例えば英語苦手なら「英語重視型」は避け、科目数・形式が自分に合う方式を選ぶ。
  • 方式間の併願可能性を検証:同じ方式ばかり出願すると科目対策が重複・詰まりがち。形式が異なる方式を組み合わせることで、リスクを分散できる。
  • 直近の情報を必ず確認:方式・科目数・配点などは年度によって変更があります(例:2025年度の変更点あり)ので、出願要項で最新を押さえることが必要です。

志望度別に考える関関同立併願プラン

関関同立を併願するとき、最も大きな不安は「どれだけ出願すれば安全なのか」という点です。
しかし、闇雲に増やすのは逆効果です。出願校が増えると過去問対策が薄まり、結果的に合格率が下がることが多いからです。

そこでまずは 志望度別に“軸”をつくり、そこから必要最小限の併願を組む という流れで考えるのが合理的です。


1. 志望度別の基本方針

●第一志望が同志社の場合

難易度は関関同立の中で最上位。
そのため「同志社の全学部日程 or 個別日程」を軸にし、下位レベルの関学・関大・立命を保険として配置するのが定石です。

●第一志望が関学の場合

関学は日程が複数あり、併願の柔軟性が高い大学です。
関学を軸にしつつ、同志社の一部日程をチャレンジ枠、関大・立命を安全校として組むと負担なくまとまります。

●第一志望が関大の場合

関大は科目と形式の幅が広いのが特徴です。
そのため、関学・立命の合う方式を“上乗せ”して併願しやすく、強みを生かした併願設計がしやすい大学といえます。

●第一志望が立命の場合

立命は方式のバリエーションが非常に多く、科目負担を減らした併願が可能です。
立命の複数方式+関大・関学の同形式を組めば、準備のブレが最小限になります。


2. 科目の相性から見る「併願の設計」

関関同立は大学ごとに出題のクセはあるものの、文系であれば 英語・国語・選択科目(日本史 or 世界史) の3科目が基本です。
そのため、まずは「得点源」を1科目決めることが重要です。

  • 英語が得意 → 英語重視型・英語配点高めの大学・方式を中心に併願
  • 国語が安定 → 現代文重視の一般選抜方式を軸に組む
  • 社会が強い → 記述多めの方式よりもマーク中心の方式が安定

3. 「科目相性 × 志望度」で見る併願の具体例(例示)

以下は、実際の受験生がよく取る組み方の例を“科目相性”で整理したものです。

志望度得意科目軸にする大学・方式併願の追加例
同志社第一志望英語同志社 全学部日程関学・立命の英語配点高め方式
関学第一志望国語関学 一般選抜同志社の個別日程(国語重視)、関大の同形式
関大第一志望社会関大 一般選抜立命のマーク中心方式、関学の併用型
立命第一志望英語立命 多方式関大の個別日程(英語安定型)、関学の一部方式

※あくまで「戦略」を示すための例であり、実際の方式名は年度によって変わります。


4. 現実的な出願数は「3〜5校」が最も効率的

多くの受験生が不安から8〜10校出願しますが、これは逆効果です。
大学ごとに形式が異なるため、過去問対策が浅くなり、結果として合格率が下がるケースを毎年見ます。

実際、10年以上の指導経験の中で最も合格率が高かったのは 主軸1校+中堅2校+安全1校=計4校前後 のパターンです。


5. 併願プラン成功の鍵は「受験順の負荷を下げること」

併願では日程の重なりが最大の落とし穴になります。
ただし、年度によって日程は変わるため、ここでは 重なりを避けるための考え方 を紹介します。

  • 同じ大学の方式を“縦並び”で取りすぎない
  • 一般選抜と共通テスト併用型を同じ週に詰め込まない
  • 過去問対策が重なる方式を優先し、形式が大きく違うものは後回しにする

この3つを守るだけで、受験週の負荷が大きく下がります。

合格率を高める3か月の学習スケジュール例

関関同立を併願する受験生にとって、直前3か月は「点数を伸ばす最後の勝負期間」です。
多くの受験生が焦り、インプットと過去問の比率を誤りがちですが、正しい順序で積み上げれば、短期間でも合格率は大きく上がります。

ここでは、 無理なく実践でき、かつ合格に直結する3か月スケジュール を提示します。


1. 3か月の全体戦略

3か月は次の3フェーズに分けるのが最も効率的です。

  1. 基礎固め(1〜4週)
    ・弱点単元の洗い出し
    ・英文法・語彙、古典文法、暗記事項の再構築
  2. 過去問演習の本格開始(5〜8週)
    ・第一志望校の過去問を中心に反復
    ・時間設定を本番と同じにして実施
  3. 仕上げと形式対策(9〜12週)
    ・併願校の形式を分析し、穴を埋める
    ・頻出テーマだけに絞った短時間演習で得点力を固定化

2. 週の学習バランス(モデルケース)

以下は、実際の受験生に最も成果が出やすかった時間配分例です。
※時間は「1週間あたりの目安」なので、個々の生活に合わせて調整可能です。

科目週の学習時間の目安学習内容の主軸
英語10〜13時間長文読解5割・文法2割・単語3割
国語6〜8時間現代文の設問分析+古典の文法・単語
日本史/世界史8〜10時間通史総復習+頻出テーマ別演習

※この配分は「英語の配点が高い大学が多い」という関関同立の傾向に基づくモデルです。


3. フェーズ別「1週間の具体的ルーティン」

以下は、直前3か月で最も効率の良かった 週次スケジュール例 です。

【基礎固め期(1〜4週)】

  • 月:英単語1,000語の総復習(300語×3日)
  • 火:英文法の頻出問題60問
  • 水:現代文の設問パターン10問
  • 木:古典文法の暗記事項+古単70語
  • 金:日本史/世界史の通史範囲を1章分
  • 土:通史の復習+一問一答
  • 日:1週間の総復習(3時間)

【過去問演習期(5〜8週)】

  • 月:第一志望校の英語 過去問1年分
  • 火:国語 過去問1年分
  • 水:日本史/世界史 過去問1年分
  • 木:解き直し+知識の補強
  • 金:英語長文1題+文法演習30問
  • 土:弱点単元の特化対策
  • 日:過去問総復習

【仕上げ期(9〜12週)】

  • 月:併願校の英語 長文2題
  • 火:現代文のテーマ別演習
  • 水:社会の頻出論点まとめ
  • 木:併願校形式の過去問(30〜40分の短時間演習)
  • 金:英文法・語彙チェック
  • 土:本番想定の総合演習(90〜120分)
  • 日:完全休養 or 弱点の軽い確認

4. 3か月で最も伸びる「得点源のつくり方」

直前期の伸びが最も大きいのは、次の3つの領域です。

  1. 英語長文(語彙量の増加と設問パターン理解で伸びが速い)
  2. 日本史・世界史の頻出テーマ(正答率が上がると一気に安定)
  3. 現代文の設問分析(選択肢の癖を掴むと急上昇する)

逆に、直前期に伸びにくいのは「英文法をゼロからやり直す」「通史を最初からやり直す」などの長期型タスクです。


5. 「直前3か月スケジュール表」

最後に、3か月をひと目で把握できるよう、全体の流れをまとめた表を示します。

期間学習の柱重点作業
1〜4週基礎固め英単語・古典文法・通史の再構築
5〜8週過去問演習第1志望校の過去問の反復と解き直し
9〜12週仕上げ併願校の形式対策・弱点の最終調整

まとめ(終わりに)

関関同立の併願は、一見すると方式も学部も多く、複雑に感じるかもしれません。
しかし、仕組みを整理し、自分の得意科目に合わせて軸をつくれば、合格ルートは驚くほど明確になります。

まずは 入試方式の理解
共通テスト併用型・一般選抜・外部検定利用などを正しく把握することで、無理のない併願ラインが見えてきます。

次に 志望度別の併願設計
上位校のチャレンジ、同レベル帯の実力勝負、安全校の確保をバランスよく配置することで、精神的にも安定した受験ができます。

そして、最後の3か月は 伸びやすい領域に絞る学習
基礎固め→過去問→仕上げという王道の流れを守れば、科目の伸びは確実に結果へつながります。

併願は「量」ではなく「設計の精度」で決まります。
あなた自身の得意と志望に合わせた戦略を立てれば、関関同立の合格は十分に狙えます。

今日決めた戦略が、あなたの受験の支えとなり、合格へ直結する一歩になります。
ここからの学習が、必ず実力となって返ってきます。自信を持って進んでください。

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